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防災グッズに「お口のケア」を!歯ブラシ・洗口液・ガムを備えよう

防災グッズに「お口のケア」を!

― 災害時こそ、歯ブラシ・洗口液・ガムがあなたの健康を守ります ―

10月13日は「国際防災デー(国際防災の日)」です。国連が定めた国際デーで、災害への備えや防災意識を高める日です。

 

地震や台風などの災害が起こったとき、まず思い浮かぶ防災グッズといえば、飲料水、非常食、懐中電灯、モバイルバッテリーなどではないでしょうか。

では、「歯ブラシ」は防災リュックに入っていますか?

実は、災害時には「お口のケア」が後回しになりやすい一方で、とても大切です。

避難生活では、水不足や食生活の変化、睡眠不足、ストレスなどによって、お口の中の環境が悪化しやすくなります。歯みがきが十分にできなくなると、口の中の細菌や汚れが増え、口臭、むし歯、歯周病などのリスクが高まることがあります。また口腔内の粘つき、違和感から精神的なダメージが現れることもあります。

日本歯科医師会や厚生労働省も、災害時の口腔ケアの重要性を案内しています。厚生労働省

だからこそ私たち歯科医院からおすすめしたいのが、

「防災グッズの中に、お口のケア用品を入れておく」

という習慣です。


まず入れてほしいのは「歯ブラシ」です

防災用品というと、「歯ブラシまで必要?」と思われるかもしれません。

しかし、災害時であっても歯みがきが口腔ケアの基本です。

水が使える状況なら、普段と同じように歯ブラシで歯を磨くことができます。

また、断水していても、少量の水を使って歯みがきをする方法があります。

日本歯科医師会では、約30mL程度の少ない水を使い、歯ブラシを濡らして磨き、汚れた歯ブラシをティッシュなどで拭きながら磨く方法も紹介しています。日本デザイン協会

さらに、

  • 歯間ブラシ
  • デンタルフロス
  • 舌ブラシ

なども、普段使っているものを防災袋に入れておくと便利です。

特に歯ブラシだけでは届きにくい歯と歯の間には汚れが残りやすいため、歯間ケア用品もあると安心です。日本デザイン協会

「防災用に特別なもの」を買う必要はありません

おすすめは、

普段使っているものを少し多めに買っておくこと。

そして古いものから普段の生活で使い、使ったら新しいものを補充する。

いわゆるローリングストックです。

日本歯科医師会も、普段から使い慣れたオーラルケア用品を備蓄することをすすめています。日本デザイン協会


水がないときに役立つ「洗口液」

そして、今回特にお伝えしたいのが、

防災グッズに「洗口液」を入れておくこと

です。

災害時に困るのが、何といっても水の不足です。

飲み水が優先されるため、

「歯を磨いたけれど、すすぐ水がない」

という状況も考えられます。

そんなときに役立つのが洗口液です。

洗口液は、口に含んですすいで吐き出すことで、口の中をさっぱりさせ、口臭や不快感の軽減にも役立ちます。口腔内の細菌の増殖を抑える成分を含むものもあります。日本デザイン協会

ただし、ここで一つ大切なポイントがあります。

「洗口液」と「液体ハミガキ」は同じではありません

液体ハミガキは、歯ブラシと一緒に使う「歯みがき剤」です。

一方、

洗口液は、歯みがき後の仕上げや、外出先などで手軽に口をケアするためのものです。日本デザイン協会

災害時には、この違いを知っておくことも重要です。


「子ども用」も普段から準備しておきましょう

防災用品は「大人用を一つ入れておけば家族みんなで使える」と考えがちですが、お口のケア用品はそうとは限りません。

特に子どもは、

  • 味が苦手
  • 刺激が強い
  • アルコール配合が気になる
  • うまく吐き出せない

など、製品によって使いやすさが違います。

日本歯科医師会も、子どもや高齢者には刺激の少ないノンアルコールタイプを選ぶことを紹介しています。日本デザイン協会

だからこそ、

防災袋に入れておくだけではなく、普段から一度使ってみる。

これが大切です。

「いざ災害が起きて、初めて使う」のではなく、普段から使っておけば、災害時にも迷わず使用できます。


「ウイルス対策」を考えた商品もあります

口の中の細菌と感染症には、無関係とはいえません。

日本歯科医師会は、口腔内を清潔に保つことがインフルエンザなどの感染症対策にもつながる可能性について紹介しています。特に、歯みがきや舌の清掃などによって口腔内の細菌を減らすことが重要とされています。日本デザイン協会

また、商品によっては殺菌成分などを配合したものもあります。

ただし、

「洗口液を使えばウイルス感染を防げる」

という意味ではありません。

製品ごとに対象となる菌・ウイルスや効果が異なりますので、「ウイルスにも効果がある」と一括りにせず、製品表示や効能・効果を確認して選ぶことが大切です。

そして何より基本になるのは、

歯みがき+舌の清掃+日常的な口腔ケア

です。日本デザイン協会


もう一つ、防災袋に入れてほしい「ガム」

そして意外と便利なのが、

ガムです。

災害時には、緊張、不安、ストレスなどから口が乾きやすくなることがあります。

唾液には、口の中を洗い流したり、細菌の増殖を抑えたりする働きがあります。

そこで、ガムを噛むことによって唾液の分泌を促すことができます。

さらに、噛むという行為そのものが気分転換になり、緊張やストレスの緩和にも役立つとされています。日本歯科医師会も、災害時にはシュガーレスガムやキシリトールガムをすすめています。日本デザイン協会

ガムには「お口」と「こころ」の両方の意味があります

災害時には、

水がない
↓
口が乾く
↓
唾液が減る
↓
口の中が不快になる
↓
口臭も気になる

ということが起こりやすくなります。

そんなとき、ガムを噛むことで唾液の分泌を促すことができます。

さらに、

噛む → 唾液が出る → 口の中が潤う → 気分転換になる

というメリットも期待できます。

選ぶなら、シュガーレスやキシリトール配合のガム(できればキシリトール100%のガム)がおすすめです。日本デザイン協会

※小さなお子さんの場合は、年齢や発達に応じて窒息などに十分注意してください。


防災リュックに「お口の防災セット」を

私たちが歯科医院としておすすめしたいのは、例えばこんなセットです。

🦷 基本セット

  • 歯ブラシ
  • 歯みがき剤
  • 歯間ブラシ・デンタルフロス
  • 舌ブラシ

💧 水不足対策

  • 洗口液
  • 必要に応じて液体ハミガキ
  • 携帯用コップ
  • 口腔内用ウェットシート

😊 唾液・ストレス対策

  • シュガーレスガム
  • キシリトールガム

👶 家族に合わせて

  • 子どもが使いやすい低刺激タイプ
  • 入れ歯の方のケア用品
  • 高齢者に適した用品

特に洗口液は「防災専用」にする必要はありません。

むしろ、

普段使う → なくなったら新しいものを補充する

という形がおすすめです。

普段使っているものだからこそ、災害時にも「どう使うのか分からない」ということがありません。日本デザイン協会


災害時こそ「お口」が大切な理由

災害が起こると、どうしても「命を守ること」「食べること」「寝る場所を確保すること」が優先されます。

もちろん、それらは非常に大切です。

しかし、生活が少し落ち着いてきたときに、

「歯ブラシがない」
「水がない」
「口の中が気持ち悪い」

「口の中が渇く、ねばつく」
「口臭が気になる」

ということが、想像以上のストレスになることがあります。

さらに、口腔内の清潔を保てない状態が続けば、むし歯や歯周病だけでなく、特に高齢者などでは誤嚥性肺炎にも注意が必要です。日本歯科医師会は、災害時の口腔ケアが全身の健康を守るうえでも重要だとしています。日本デザイン協会

だから私たちは、

「防災=命を守る準備」なら、
「お口の防災=健康を守る準備」

と考えています。


「もしものため」ではなく、「いつものため」に

防災用品は、災害が起きなければ使わないものもあります。

でも、お口のケア用品は違います。

歯ブラシも、洗口液も、ガムも、普段から使うことができます。

だからこそ、

「防災のために買う」のではなく

「普段使いしながら、もしもの時にも備える」

という考え方がおすすめです。

防災リュックを一度見直してみてください。

水、非常食、ライト、モバイルバッテリー……

その中に、

「歯ブラシ、入っていますか?」

そして、

「水がないときのための洗口液、ありますか?」

さらに、

「口臭や口の乾燥、ストレス対策になるガムはありますか?」

災害はいつ起こるかわかりません。

だからこそ、今日からできる小さな準備を。

川田デンタルクリニックでは、歯やお口を「その場の治療」だけでなく、日々の生活、そしてその先の健康まで考えて、セルフケアについても一緒に考えています。

「防災グッズに、お口のケアを。」

これは、歯を守るためだけではなく、
災害時の健康と、少しでも安心できる毎日を守るための備えです。


🦷 川田デンタルクリニックからのワンポイント

防災お口セット・まずはこの3つから!

① 歯ブラシ
→ お口のケアの基本

② 洗口液
→ 水が少ない・使えないときの備えに
→ 普段使いしながらローリングストック

③ シュガーレス・キシリトールガム
→ 唾液を出して、お口の乾燥・口臭対策
→ 噛むことで気分転換にも

そして、ご家族に合わせて歯間ブラシ・舌ブラシ・ウェットシート・携帯用コップ・子ども用の低刺激タイプなどを追加していきましょう。

「何を選べばいいかわからない」という方は、ぜひ歯科医院でご相談ください。お口の状態や年齢、普段のセルフケアに合わせて、災害時にも使いやすいものを一緒に考えることができます。

 

口腔内環境を整え、予防する歯医者

世田谷区上野毛のかかりつけ歯科


監修・執筆:川田隆央
歯科医師・川田デンタルクリニック院長