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食べる準備ができたサイン 10項目

「食べる準備ができたサイン」10項目

― 離乳食は「5か月になったから」ではなく、赤ちゃんの発達を見て始める ―

 

前回のブログでは(歯が生える前から)、

「5か月になったら離乳食を始める」

という考え方ではなく、

「その子が食べる準備をしてきたかを見ることが大切」

という話をしました。

では、

「食べる準備ができてきた」とは、具体的にどんな状態なのでしょうか?

今回は、離乳食を始める前に見ておきたいポイントを10項目に分けてご紹介します。


① 首がしっかりしてきた

食べるためには、頭の位置が安定していることが大切です。

首がまだぐらぐらしている状態では、口や舌を自由に動かしにくくなります。

まずは、

「食べる口」より「食べられる身体」

が育っているかを見てあげましょう。


② 身体を支える力がついてきた

食べることは、口だけの運動ではありません。

身体が安定することで、頭や顎も安定し、舌や唇を動かしやすくなります。

「座れるか」だけを見るのではなく、

身体全体が安定してきているか

を見てみましょう。

よく子供を座らせた状態にするイスがありますが

注意が必要です。

  • 腰がすわる前に無理に座らせると、自己座位や歩行の発達が遅れたり、背骨や姿勢のゆがみにつながる恐れがある。
  • 骨盤や体幹が固定されるため、自分で腹ばいになったり、手をついて支えたりする筋力やバランス感覚が育ちにくくなる。
  • 前傾姿勢になりやすく、離乳食の際に食べにくい、飲み込み(嚥下)や咀嚼がしづらい、吐き戻しを誘発するといった意見がある

このような懸念事項があるため、座らせるイスを使用する際は早期の使用、長時間の使用はよく考えて使った方がいいと考えられます。


③ 食べ物に興味を示す

家族が食事をしていると、

じっと見る。

口を動かす。

手を伸ばす。

そんな姿が見られることがあります。

これは、食べることへの興味が育ってきたサインの一つです。

お子さんの行動をよく観察しましょう


④ スプーンを口に入れても、毎回強く押し出さなくなった

赤ちゃんには、口の中に入ってきたものを舌で押し出すような反応があります。

成長とともに、その反応が少しずつ変化していきます。

スプーンを受け入れられるようになってきたかも、一つの目安になります。

初めは舌で押し返されることが多いと思いますが、押し返されたら無理はしないように。

まだお口が食べることに適応できていない可能性が。まずは舐めることから。

無理をしてしまうと変な飲み込みを誘発したり、拒否反応につながる恐れが。


⑤ 唇を閉じる動きが見られる

食べるためには、

「口を開ける」

だけではなく、

「唇を閉じる」

ことも重要です。

食べ物を取り込み、口の中に保持するために、口唇は大切な役割を果たします。


⑥ 舌がよく動くようになってきた

赤ちゃんの舌は、授乳のときにも重要な役割を果たしています。

そして離乳食が始まると、

食べ物を口の中で動かす

という新しい仕事が加わります。

舌の動きは、「食べる口」を育てるうえでとても大切です。


⑦ 食べ物を口に入れることを極端に嫌がらない

初めての食材やスプーンを嫌がることは、もちろんあります。

一度嫌がったから「まだ早い」と決める必要もありません。

大切なのは、

その子の様子を見ながら、無理なく経験を積むこと。

です。その時は無理せず、次回にしようという感覚で、「少しずつ」の気持ちで


⑧ 起きている時間に身体をよく動かすようになってきた

寝返りをしたり、手を伸ばしたり、身体を動かしたり。

こうした全身の運動発達も、食べる機能の土台になります。

口だけを鍛えるのではなく、

全身が育つことが、食べる力につながります。


⑨ 食事をしている人をよく観察する

赤ちゃんは大人の行動をよく見ています。

大人が食べているところを見て、

「口を動かす」

「手を伸ばす」

「食べ物を目で追う」

などの反応が出てきたら、食への興味が育ってきているのかもしれません。


⑩ 「月齢」だけでなく、全体の発達を見る

最後に、一番大切なのがこれです。

10項目を全部クリアしなければいけない、ということではありません。

赤ちゃんの発達には個人差があります。

だから、

「5か月だから始める」

ではなく、

「この子は今、どこまで食べる準備ができているかな?」

と見てあげてください。

離乳食は、発達を競うものではありません。

その子のペースで、

吸う口から、食べる口へ。

少しずつ経験を積んでいくことが大切です。

次回は、さらに重要な「安全」のお話です。

「食べられる」と「安全に食べられる」は、実は同じではありません。

乳幼児の窒息や誤嚥について、一緒に考えてみましょう。

 

 

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監修・執筆:川田隆央
歯科医師・川田デンタルクリニック院長