BLOG 新着情報
「食べられる」と「安全に食べられる」は違う【窒息・誤嚥のリスク】
「食べられる」と「安全に食べられる」は違う
― 離乳食で知っておきたい窒息・誤嚥のリスク ―
「この月齢なら、もう○○が食べられます」
離乳食について調べると、こうした情報をよく見かけます。
でも、ここには大切な注意点があります。
「食べられる」ことと「安全に食べられる」ことは、同じではありません。
赤ちゃんは、大人と同じように食べ物を処理できるわけではないからです。
赤ちゃんは「噛む力」がまだ発達途中
乳幼児は、
- 噛み砕く力
- 舌で食べ物を押し潰す力
- 舌で食べ物を動かす力
- 唇で取り込む力
- 食べ物をまとめる力
- 飲み込む力
などが発達途中です。
特に離乳初期は、まだ「大人のように噛んで食べる」わけではありません。
だからこそ、食材の形や硬さを、その子の発達に合わせる必要があります。
「小さく切れば安全」とは限りません
窒息を防ぐために、
「小さく切れば大丈夫」
と思ってしまうことがあります。
しかし、食品によっては、
小さくても、丸くて滑りやすかったり、硬かったり、弾力があったりすることで、危険になることがあります。
例えば、丸い形状の食品や硬い食品などには特に注意が必要です。
食品は、
大きさだけではなく、形・硬さ・弾力・滑りやすさ
まで考えることが大切です。
子供の窒息・誤嚥事故は5歳以下(乳幼児)に多発しています。
実際にあった例として、0歳児が幅約7cmのリンゴをのどに詰まらせた。
1歳児が直径約2cmの球形個装チーズで窒息。他にも凍らせたゼリーをノドに詰まらせたなど。
大人が予想できないもので、ノドに詰まらせてしまう事故が起こることがあります。
食事中の「姿勢」も安全に関係します
食べるときには、姿勢も大切です。
身体が不安定な状態では、頭や顎の位置も安定しにくくなります。
そのため、
「何を食べさせるか」だけではなく、「どんな姿勢で食べているか」
も確認してみてください。
食べている途中で、こんな様子はありませんか?
- むせる
- 咳き込む
- 声が変わる
- 呼吸が苦しそう
- 食べ物を口の中にため込む
- なかなか飲み込めない
こうした様子が頻繁に見られる場合には、単純に「この子は食べるのが下手」と考えるのではなく、食べる機能そのものを一度確認してみることも大切です。
そして、「窒息」と「むせ」は違います
ここも保護者の方に知っておいていただきたいところです。
咳は、気道に入ったものを外へ出そうとする身体の防御反応です。
一方、気道が完全に塞がってしまう窒息では、声や咳が出せなくなることがあります。
乳幼児の窒息は命に関わります。
だからこそ、
「食べさせるもの」
「食べさせる形」
「食べる姿勢」
「食べているときの見守り」
をセットで考える必要があります。
食べることを急がない
「月齢が進んだから、次の段階へ」
と急ぐ必要はありません。
大切なのは、
その子が今できることに合わせて、少しずつ食形態を変えていくこと。
そして、食事中は子どもから目を離さないこと。
離乳食は、
「何を食べさせるか」
だけではなく、
「安全に食べる環境をどう作るか」
まで含めて考えていきましょう。
次回は、歯科医療の視点から、
「離乳食を食べるとき、舌・唇・顎は何をしているの?」
というお話をします。
口腔内環境を整え、予防する歯医者
世田谷区上野毛のかかりつけ歯科
赤ちゃんから高齢者まで口腔機能をみる歯医者
監修・執筆:川田隆央
歯科医師・川田デンタルクリニック院長
